世界のマイクロファイナンス機関や社会事業に融資
オイコクレジットは、貧困と闘う人々を投資という形で支援する国際的な協同組合で、1975年の設立以来40年、途上国のマイクロファイナンス(MF)や協同組合などに投資しています。MFへの投資額では世界最大級で、MFが広がっていない国や中小規模の機関も支援しているのが特徴です。また、投資が適切に活用されるよう、投資先の財務状況だけでなく貧困層へのサービスの内容や地域への貢献度なども、きめ細かくチェックしています。世界各国の支援組織や教会などが、出資者としてこれらの活動を支えています。
社会的に有意義な活動へ資金の流れを変える
世界には、勤勉に働きながらなんとか生計を維持することしかできず、貧困から脱却できない人々がいます。また、地域の人々が切実に必要としながら資金がないためにできない事業があります。
他方で、世界には市民が今直ちに必要としないために銀行などに預金している多額の資金がありますが、それらは兵器産業や環境汚染産業に回ってしまうかもしれません。そのような、地球や地域社会に有害な活動に自らの預金が流用されることを不愉快に思い、有意義な事業に活用されることを望んでいる地域市民も数多くいます。
オイコクレジット(Oikocredit)はこの両者をつなぐ、「社会的責任投資」のための国際組織です。心ある人々から出資を募り、社会的公正を重視した選択基準を適用して融資や投資を行っています。例えば、貧困削減、地域社会への貢献、女性の地位の向上、環境保護などです。
心ある人々の資金を、途上国の人々に投資
オイコクレジットによる投資の主な形態は融資であり、その代表的な対象は、マイクロファイナンス機関、生産者協同組合そしてフェアトレードです。これらの組織に必要なのは施しではなく、対等なパートナーとしての投資なのです。ですからオイコクレジットの融資は多くの銀行が行うような銀行本位の営利活動ではありません。短期的には資金の回収が不可能でも、長期的に見れば可能な事業に対しては、資本参加の形で応援しています。これらは貧困からの脱出に日々努力している人々、地域社会の発展に有益な事業にとりくむ人々への支援であり、長期的な「人々への投資」なのです。
堅実なオペレーション体制と健全性
事務局長は公募で選ばれた金融機関経験者で、途上国の民間プロジェクトに融資する数少ない機関として存続するために、多くのリスクに直面しながらバランスよく舵取りを行ってきました。また、ラテンアメリカ、アフリカ、アジア、東欧などに「地域事務所」があり、そこで支援対象事業の開拓や審査が行われています。
資金は年9%の利子率で融資されており、過去において殆どの年に年2%の配当を行っています。不良債権は深追いすることなく清算されますが、およそ10%以内に収まっています。