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協同組合が北部パタゴニアの果物農家を支援

協同組合が北部パタゴニアの果物農家を支援

2017年8月10日

Herminio Antonio Urrutiaさん(61)は、アルゼンチン共和国のパタゴニア北部にある果樹栽培業者の協同組合、Primera Cooperativa Fruticolaに20年以上前から加入しています。Herminioさんの言葉を借りれば「自分のビジネスを始めた時からずっと」ということになります。

Herminioさんは14才から実家の農園でブドウの収穫の手伝いを始めました。Fruticola恊働組合を知ったのは、18才のときに雇われた農園主が組合員だったことがきっかけでした。彼は自分のビジネスを始めるという夢を抱いて、1995年に6ヘクタールの農地を購入し、野菜の栽培を始めました。その後、野菜から果物栽培へと切り替えました。その土地は果物、特にリンゴと洋ナシづくりに適していたからです。

Herminioさん

 

着実な成長

Fruticolaの支援を受け、その後Herminioさんの農業経営は順調に成長を続けました。土地の買い増しや借地を重ねて栽培を続け、所有地は20ヘクタールとなりました。リンゴと洋ナシの栽培用の借地を更に増やし、現在、合計62ヘクタールの農地で年間1,200トンの果物を生産しています。

Herminioさんのような成功例は、この地方の他の果物農家でも見られ、農家が事業を拡大する上で、協同組合からの適時な支援がいかに重要であるかを物語っています。Fruticolaは、長年にわたり、農業技術研修とあわせてビジネス上の融資や運転資金もHerminioさんに提供してきました。

 

競争産業における規模の重要性

「Primera Cooperativa Fruticola」 は、Productores Argentinos Integrados( PAI)コンソーシアムのメンバーです。PAIとは、アルゼンチン共和国のリオネグロ州とネウケン州にある12の果物梱包会社と協同組合で構成され、加工していない果物の輸出連盟です。オイコクレジットはPAIの地域経済への影響力を認め、2015年にPAIのパートナーになりました。PAIは、およそ280の中小規模果樹栽培業者から出荷された果物(主にリンゴと洋ナシ)を扱っています。加工されていない果物市場は競争が激しく、少数の大規模多国籍企業に牛耳られており、小規模な果物栽培業者が自主的に作物を市場に出すのは難しいのが現状です。しかし、PAIの組織や資金援助を受けて規模の経済を生かして取引することにより、果樹栽培業者は自分たちの生産物に正当で透明性のある価格をつけることができるようになりました。また、PAIは、農家が供給業者との交渉力を高められるように、消耗品、梱包材などの共同購入も提案しています。

 

農家の技能と専門性を深める

PAIは、農家の生産方法の改善と生産力向上のための技能や専門的技術を提供することで、重要な役割を果たしています。団体会員による研修プログラムを支援し、剪定、間伐、収穫、灌漑、栄養学、環境保護についてガイダンスを提供します。またPAIは、農業と製造業の適正な実施を目指して国際的な認証会社との共同プログラムを始めました。

Herminioさんの果樹園

増加する有機栽培果物

PAIはラテンアメリカで最大規模の果物輸出業者の一つで、40カ国以上に産物を輸出しています。特筆すべき点は、果物の有機栽培支援で果たす役割です。PAIは有機栽培果物を最も多く輸出する事業者の一つで、この分野の重要性は増しています。実際、PAIの輸出の20%は有機栽培果物が占めています。

Herminioさんの62ヘクタールの農場でも、18ヘクタールで有機栽培を行っており、残りの農地も有機栽培へと移行中です。彼の果樹栽培ビジネスは順調に成長を続けています。収穫期には、今までの3倍にあたる18人の人を雇うほどになりました。Herminioさんの協同組合加入は、正に、大きな実りをもたらすつながりと言えるでしょう。

(翻訳協力:東京YWCA 国際語学ボランティアズILV)

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