ブラジルからの物語[パート2]:クレディルズ
2021年10月21日
オイコクレジットは、インクルーシブな金融が都市部だけでなく、農村部の地域コミュニティの発展に貢献できるよう、協同組合型の金融、すなわち信用組合への支援を強化しています。その意義を理解していただくために、現在、オイコクレジットがパートナーとしている22のブラジルのパートナーの一つ、クレディルズとそのクライアントをご紹介します。これはブラジルのパートナーについての3部構成シリーズの第2部です。
スルクレディ(クレディルズ)– アベラルドルズ農村信用協同組合
Cooperative de Credito Rural de Abelardo Luz-Sulcredi(Crediluz)
オイコクレジットのパートナーであるクレディルズ(Crediluz)は、1996年にブラジル、サンタカタリーナ州アベラルドルースの小規模農家のグループによって設立された信用協同組合です。
2006年、協同組合は作物改良、車両や重機への投資並びに農村部の手頃な住宅購入のための地方助成金にアクセスするため他の事業体と提携しました。
地域コミュニティをより良く支援するための知識と経験を得て、2011年にクレディルズは再び単独運営を開始しました。地域コミュニティにプラスになる社会的影響を与えること、商品やサービスをより個別の方法で提供することに集中したいとの思いからです。
現在、クレディルズは14,000人の会員を財政面だけでなく、研修や社会開発事業を通して支援しています。
保健プログラムは、地域の低所得者を支援するための大きな役割を果たしています。それは、1米ドルという象徴的な料金で会員に歯科治療を提供することから始まりました。その後、医療支援を拡大し、幅広い医療サービスを提供しています。
また医師と提携し、医師の収入を保証しています。これが医療従事者を呼び込むことに繋がり、医療ケアにアクセスできなかった小さな町を助けることに繋がっています。
協同組合は今、新型コロナウィルスの感染拡大によって影響を受けた会員の精神的ケアを始めることを計画しています。
オイコクレジットはクレディルズが地域コミュニティーに与えた社会的影響を鑑みて、2017年にパートナーになることを決めました。クレディルズが長年支援している家族や団体の中から、二つの物語をご紹介します。
家族から受け継いだもの:アレサンドロの物語
ブラジルの地方では農業と家族経営ビジネスが重要な役割を果たしています。しかし、家業を継ぐ若い世代の育成が問題となっています。
そんな中、22歳のアレサンドロ・スタンゲーリン(Alessandro Stangherlin)は、家族が経営する農場の成功と、それが与えた地域コミュニティーへの影響を見て、家族の遺産を引き継ぐことを決めました。
アベラルド・ルズにあるアレサンドロの農場では、毎月、400キロのイチゴと様々な野菜を生産しています。何が家業の成功の秘訣だったのでしょうか?家族は2002年からクレディルズの会員です。
小規模の農場を始めたばかりの頃、協同組合はビニールハウスの建築費とトラックの購入費を融資しました。クレディルズの継続した支援が起業と繁栄の鍵だったのです。
家業の更なる成功と農業分野についてより詳しく学ぶため、アレサンドロは現在、農業経済学者を目指して勉強しています。既に生産量の拡大とビニールハウスの建設も計画しています。
太陽光発電スウィーツ:ナビールとマリレーヌの物語
共に64歳のナビール・ビアシン(Nabir Biazin)と妻のマリレーヌ・パカサ・ビアシン(Marilene Pacassa Biazin)は、サンタカタリーナ州で再生可能エネルギーだけを使ってパン屋を営もうと頑張っています。1997年から会員のクレディルズの支援を受けて、目標に向けて順調に進んでいます。
これまでに協働組合は60枚の太陽光パネルの購入費を融資しました。ナビールとマリレーヌは、クレディルズの支援を受けて、少なくてもあと40枚は導入したいと思っています。
なぜ夫婦は再生可能エネルギーへの移行に向けて、それほどまでに努力しているのでしょうか?それは環境に配慮するだけでなく、電気代を約50パーセント削減できるからです。
加えて、この取り組みはナビールとマリレーヌのビジネスを改善し、地域コミュニティーにも刺激を与えます。
ブラジルのパートナーの感動的な物語を読み、オイコクレジットが協同組合とのパートナーシップに焦点を当てている理由を知るには、この3部構成シリーズの第1部をお読みください。