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ブラジルのコーヒー農園の女性たちは どのようにして経済的自立を築いているか

ブラジルのコーヒー農園の女性たちは どのようにして経済的自立を築いているか

2017年11月17日

Coopfamコーヒー協同組合(Cooperativa dos Agricultores Familiares de Poço Fundo e Região)は、女性たちが有機栽培のスペシャルティコーヒーを生産し、生活の向上を図る支援をしています。

ブラジルのミナスジェライス州ポッソ・フンドのコーヒー栽培地域の女性たちは、オイコクレジットパートナーであるCoopfamの将来を担う中心的な存在で、自分たちが生産した有機栽培コーヒーを販売して家計を支えています。Coopfamコーヒー協同組合の一団体である、Mulheres Organizadas Buscando Independência(自立を目指す組合女性の会)、通称、MOBI女たちの会は、通常の有機栽培コーヒーより10%高い値段でカフェ・フェミニーノを販売しています。そしてその割増分の売り上げを再投資して、メンバーの生産能力を高め、より多くの女性が自立してコーヒーを生産し、生活改善できるようにします。

ブラジル最大のコーヒー生産地、ミナスジェライス州の農村では、女性は通常、自分たちの農園で夫の補助的作業をするだけで、協同組合事業や農業の意思決定には加わっていませんでした。しかし、この状況は2006年に一変しました。何十年もにわたり女性たちの生活の一部となっていたアラビカコーヒーの生産現場で、女性が力をつけて平等な立場で仕事ができるように、Coopfamが力を入れ始めたからです。

「MOBIのメンバーになる女性は、育児や家のことだけでなく、Coopfamのコーヒー生産で自分の存在意義を発揮したいのです。彼女たちは自分の声を聞いてほしいのです。」と、Vânia Lucia Pereira da Silvaさんは言います。彼女はMOBIメンバーでCoopfamの副組合長であり、家族で12ヘクタールの農園を所有しています。「生産の場で女性は重要な役割を担っているのですから、意思決定の場にも参加すべきです。」

MOBIメンバーでCoopfam副組合長のVânia Lucia Pereira da Silvaさん

MOBIメンバーでCoopfam副組合長のVânia Lucia Pereira da Silvaさん

VâniaさんはMOBI設立からのリーダーの一人として、メンバーがポッソ・フンドの丘で有機栽培コーヒー生産に必要なあらゆる知識を習得できるように支援してきました。それは病害虫管理、コーヒー果実収穫や豆の乾燥方法など、多岐に及びます。何よりも彼女は、Coopfamが開催したリーダー養成講座も受講し、文化の壁を克服して、Coopfam経営陣の二人の女性の一人になりました。

このように、人と環境に重点を置いた取り組み実績があることから、オイコクレジットはCoopfamとパートナーになることを決定しました。Coopfamnには、小規模農家の生活改善というオイコクレジットと共通の熱意があるだけではなく、重要な生計手段としてフェアトレードに力を入れています。Coopfamは1990年代後半にブラジルで初めて有機栽培のフェアトレードコーヒーを生産した協同組合であり、オイコクレジットの融資をより多くのメンバーに分配し、地元から全国、そして世界へと市場を広げるのに役立てています。今では、450の小規模生産者がメンバーになっています。

「私たちの有機農法は、技術面だけにとどまりません。生産者は環境を守り、品質の良い農産物を販売し、家族の健康を守るべきであるという視点を大切にします。」
とCoopfam組合長、Clemilson José Pereiraさんは言います。

MOBIの女性が、Coopfamのコーヒー事業にもっと深く関わりたいと思った大きな理由の一つは、有機農法は健康に良いからです。
「私は家族の健康を考えて、有機農法を始めました。」とVâniaさんは言います。「はじめは、どうやって有機栽培コーヒーを生産すればいいのか分かりませんでしたが、Coopfamがその方法を教えてくれます。」
MOBIメンバーのMaria Aparicida Paive Borgesさんは、家庭農園で12000本のコーヒーの木を栽培していますが、同じ考えです。「有機栽培コーヒーは自然と健康を守るので気に入っています。農薬を使わず仕事できるのは素晴らしいことです。」と言います。

カフェ・フェミニーノはどうして特別なコーヒーなのでしょう?
MOBIメンバーで、夫と共有する農園の一角でカフェ・フェミニーノを生産しているDayany de Assis dos Santos Ferreiraさんは、こう答えます。「私達はコーヒーに愛情をたっぷり注ぎ、大切に育てていますからね。コーヒーの質は、愛情と注意力によって決まるのです。大変な仕事ですが、女性たちはがんばっています。」

MOBIメンバーのDayany de Assis dos Santos Ferreiraさん

MOBIメンバーのDayany de Assis dos Santos Ferreiraさん

農業実習指導と知識共有の機会を経て、才覚をつけたMOBIの女性たちは、バラを育てたり、収穫後のコーヒーの木の残りを使った手工芸品を作ることを教わったりして副収入を得ています。収穫の合間には地元で自分達の作品を販売します。
Coopfamに本格的に参加して事業を拡げることで、女性たちは自信をつけ、コミュニティの中で存在感を増し、ますます経済的に自立し、家族の収入を増やしています。
Mariaさんは次のようにまとめています。「私はMOBIに参加できてとてもうれしいです。今では私は、収穫、販売、協同組合での仕事、と農園の仕事全般に携わっています。
何よりも、女性が力をつけて地元のコーヒー生産活動にもっと深く携わることは、故郷を捨て都会に出る女性や若者の数を減らすのには不可欠だとVaniaさんは信じています。それはきっと、このコーヒー栽培地の将来の繁栄にもつながるに違いないでしょう。

 

(翻訳協力:東京YWCA 国際語学ボランティアズILV)

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