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アフリカで初のオフグリッドソーラーのための証券化取引

アフリカで初のオフグリッドソーラーのための証券化取引

2016年1月5日

2015年の終わりに、オイコクレジットはイギリスに本拠を置くソーラーエネルギー事業者BBOXXと提携して、ケニアの低所得世帯へのソーラー技術の普及やその財源確保に資金を提供すると発表しました。

オフグリッド[i]ソーラー業界において、住宅用ソーラーシステムの資金調達のために債権が証券化されるのはアフリカでは初めてです。

国際エネルギー機関によると、世界の推定12億の人は電気を利用することができる環境になく、ろうそく、ディーゼル発電機、灯油ランプのような高価で危険なものに頼っています。特に灯油ランプは有毒ガスを発生し、また重度な火傷や、死に至るほどの火災事故を引き起こすことが知られています。

オフグリッドソーラーシステムは信頼性が高く効率的な代替エネルギー源となるのです。住宅用ソーラーシステムが提供する良質な室内照明は、小規模な事業の経営には不可欠であり、また学齢期の子供たちが暗くなってからも宿題をすることを可能にします。

 

成長する分野で高まる需要

BBOXX image _solar system

開発途上国では、より多くの人々が質の高いエネルギーにシフトする余裕ができてきたので、オフグリッド技術の需要が高まっています。 安価で効率的なソーラー製品が入手可能になったことに加え、顧客が携帯電話を使って分割払いで料金を支払うことができる新しい課金システムによって、オフグリッドソーラー事業は、近年、急成長しています。

その成長の速度にもかかわらず、この分野は、比較的新しい技術を使うこと、開発途上国で、信用取引履歴が少ないかまったく無い顧客を対象にすること、といった点で、リスクを伴うビジネスモデルと見なされており、資金確保のための十分な投資を呼び込めないという困難に直面しています。

 

証券化で、もっと必要な投資の拡大を可能に

David ten Kroode

David ten Kroode

この問題は、債権の証券化によって解決が可能になり、多くの投資をこの分野に呼び込む道が開けます。オイコクレジットの再生可能エネルギーマネージャーであるDavid ten Kroodeは、次のように語ります。「住宅用ソーラーシステム契約により将来受け取るべき債権に基づいて資金を提供するという、革新的な金融システムに参加したことを誇りに思います。私たちが実際にこの仕組みがどのように機能するかを示すことで、他の投資家たちがこの新たな成長分野で必要とされている投資の規模を拡大する道が開かれるのです。」

証券化の仕組みを実現するために、BBOXX DEARs という特別な目的の会社が設立されました。同社は分割払いで住宅用ソーラーシステムを購入したBBOXXの顧客の契約をまとめ、それらの契約により将来受け取るべき債権に基づいた価額の証券を発行し、オイコクレジットに売却します。

この証券の売却で得られる資金によりBBOXXは、グリッド(送電線による)電力が利用できないか制限されている世帯に約1200基の新しい住宅用ソーラーシステムを供給することができ、7000人が恩恵を受けると推定されます。

この仕組みを構築するにあたって、オイコクレジットとBBOXXは、新規開拓市場のエネルギーアクセス分野を専門とする金融機関Persistent Energy Capital からの指導を受けました。

「これは何十億ドル規模にもなりうる唯一の金融構造です。」 BBOXXのCEOであるMansoor Hamayun氏は、ハフィントンポストのインタビューに答えて以下のように続けました。「銀行口座を持たない人達の信用リスクを証券化することができ、それがすぐに評価されるという事実に、非常に興奮しています。私たちは今、より多くのオフグリッド顧客にソーラー発電を届ける方法を手に入れたのです。」

 

オフグリッドソーラーシステム証券化の仕組み

解説(岡本)

顧客はBBOXXにソーラーパネルの設置をしてもらいます。しかしその費用を一度に払える余裕はないので、分割返済をBBOXX DEARSにします。BBOXX DEARSはそれらの顧客の債権をまとめ、証券化してオイコクレジットに売却。BBOXX DEARSはオイコクレジットから入手した資金で、顧客の返済完了を待つことなく、より多くの世帯への販売をBBOXXに促進させることができます。オイコクレジットは証券の満期後に配当付きの償還を受けます。また、これは外部の証券市場で売買されるものではありません。

 

BBOXXについて

BBOXXはインペリアル・カレッジ・ロンドン工学科卒業生3人によって2010年に設立された企業で、電力供給が不安定であるためにアフリカ各地で地域社会およびビジネスが直面する課題に対し、持続可能で環境に配慮した解決方法を提供することを目指しています。BBOXXは革新的な住宅用ソーラーシステムの設計、製造、資金調達を行い、それを発展途上国のコミュニティーに供給しています。

2010年以降、同社は55,000基のソーラー発電キットを販売し、35カ国の275,000人の生活に変化をもたらしてきました。BBOXXは現在160人を雇用し、その大半は主だった活動の対象地域であるケニアとルワンダに在住し、ソーラーシステムの販売、設置および管理維持に携わっています。

(翻訳協力: 東京YWCA 国際語学ボランティアズILV、桜井、村上、佐々木)

 

[i] オフグリッド: 電力会社などから電気が送られる送電網(グリッド)と繋がっていない電力システム

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