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資金とあわせてビジネス知識も提供するKompanion銀行

資金とあわせてビジネス知識も提供するKompanion銀行 ~自立した未来を創造するために

2017年4月26日

キルギス共和国のKompanion(コンパニオン)銀行は、小規模農家と家畜や羊を飼っている人たちへの融資目的で2004年に設立されました。2007年からオイコクレジットのパートナーです。ただし、普通の銀行とは違います。顧客には小口融資だけでなく、無料のビジネス開発トレーニングや、持続可能な農業と天然資源管理を推進するための技術支援も提供しています。

 

コンパニオン銀行の最高経営責任者、Ulanbek Termechikovさんは、この斬新な取り組みの背景にある合理性について、次のように解説しています。

「市場経済は金融サービスへのアクセスがあって成り立っていることは分かっています。けれども、旧ソ連の崩壊によって、大部分の人々がサービスを受けられなくなりました。特に、銀行がまったくない田舎の人々はそうでした。

そのうえ、みんな、独自に農場を営む方法を知りませんでしたし、理解もしていませんでした。このような状況でしたから、単に顧客に資金を提供し続けるだけなら、かえって無責任だったでしょう。それで、2008年に、ビジネス開発トレーニングと技術支援の提供も始めたわけです。」

 

信頼を通して知識を高める

はじめはトレーニング授業に懐疑的だった顧客たちも、やがてその価値を理解しました。関心が高まり、その後の5年間で、コンパニオン銀行の農業専門家らは、キルギス共和国の半分の村で、3000を超える世帯に12000以上のトレーニング授業を実施しました。現在、銀行は32名の農学者と獣医を雇用して、季節ごとに10のトレーニング授業を実施し、また、小規模農業事業の経営方法についてその場に応じた相談も受けています。

コンパニオン銀行の最高経営責任者、Ulanbek Termechikovさんは、「ひとたびみんなが私たちを信頼し始めてプロジェクトの成果を見ると、独立経営するようになりました。」と言います。

Kompanionの農学者Bukabaevさんと農家のDuishonbuさん

Kompanionの農学者Bukabaevさんと農家のDuishonbuさん

 

長期的な成長のための息の長い投資

コンパニオン銀行のエコ・ガーデン・イニシアチブは、イシク・クル湖の周辺地域で、顧客にリンゴの栽培法を教える3年トレーニング・プログラムです。金融支援とあわせてビジネス開発トレーニングも提供するという取り組みの効果を示す素晴らしい実例です。

Alybaev Duishonbuさん(49)は、2008年にChon Sary村で果樹園を始めました。けれどもせっかく植えたリンゴとアンズの樹は育ちませんでした。Duishonbuさんは、エコ・ガーデン・イニシアチブのことを耳にして、地元のコンパニオン銀行支店を訪ね、もっと詳しく話を聞きました。その後、彼は30名の農民グループに入り、ローンを組んで、みんなでトレーニング講座に参加しながら、知識や経験を共有しました。銀行の農学者のKenesh Bukabaevさんは、グループの農民たちに、品種改良のため接ぎ木の仕方を教え、土壌浸食を避けるためにもっと大きな樹を利用することや、成長を良くするために枝を横へ広げるように助言しました。

さらに、BukabaevさんはDuishonbuさんの果樹園を訪ねて、リンゴからアンズ(岩の多い土壌ではリンゴより生育が良い)への転換、種苗場をつくること、苗木にもっと大きな植え穴を掘ること、有機肥料を使うこと、などの新しい農業科学的な方法を伝えました。

 

自立した暮らしを応援する

個々のプロジェクトの成果も感動的です。Nazgul Sydygalievaさん(49)は、コンパニオン銀行のトレーニング授業の恩恵を受けた数多くの顧客の一例です。NazgulさんはBalykchy町に鶏舎を所有しています。彼女は、鶏舎を非常に誇りに思っていて、コンパニオン銀行の獣医、Talgarbek Asanakunovさんの助けをかりながら、450羽のニワトリを飼っています。鶏舎を持つまで、Sydygalieva夫妻はりんご園の売り上げと家畜から得た収入で、家族を養っていました。けれども子どもたちの高等教育にかかる学費が心配でした。今では、卵を販売して得たお金で、5人の子どもたちを首都のビシュケクへ勉強に行かせることができるようになりました。

 

成果に根ざしたビジネス

コンパニオン銀行は、そのインパクト評価システムによって、顧客の暮らしをよくするという目標を満たしているかどうか、理解することができます。

「2014年のデータによると、人材や資金面、トレーニングによって銀行が支援した顧客の半数近くの生活が改善されました。素晴らしい結果です。私たちが何らかの役に立つことをしているということですし、それで、私たちはもっと頑張ろうという気になるのですから!」と、コンパニオン銀行の最高経営責任者、Termechikovさんさんは言います。

コンパニオン銀行は、オイコクレジットから二つのローンを受けています。一つは現地通貨で328,670,300キルギス・ソム(約450万ユーロ)、もう一つは100万米ドルです。

(翻訳協力:オイコクレジットジャパン ボランティア 堀内美鈴)

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