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農業向け主要融資団体が、世界の小規模企業や農家の生活支援に6億8200万ドルを融資

農業向け主要融資団体が、世界の小規模企業や農家の生活支援に6億8200万ドルを融資

2017年7月19日

CSAF(小規模農業金融協議会)会員のオイコクレジットは、他の10団体会員と共に最新の「分野別情勢報告書」を出し、2016年に756の中小企業に6億8200万ドルを融資したと発表しました。

この融資は、年間推計総額76億ドルに及ぶ収益と75,000人の雇用を中小企業にもたらし、230万人以上の小規模農家(その1/3近くは女性)を国内や海外市場に結びつけました。

CSAFは、中低所得諸国における農業系企業の資金需要への融資をリードする11のインパクト志向融資団体の提携グループです。小規模農家から農産物を仕入れて農村の雇用創出に大きく貢献する事業をターゲットにして、農家の生活改善と農業経済組織の変容、環境持続性のある農業の促進を目指しています。

2016年のCSAF融資は、2015年の732の事業に融資された6億2700万ドルと比べて9%の伸びを示しています。このことからCSAF融資団体は農業系の中小企業に息の長い支援を続けていることが分かります。しかしながら、融資活動は地域やバリューチェーンによって相当の差があります。

例えば、サハラ以南のアフリカで44%、東南アジアでは24%と融資の伸びが報告されていますが、南アメリカでは10%、中央アメリカでは8%の下落となっています。同様に、コロンビア、インドネシア、ウガンダといった主要なコーヒー豆生産国では融資額が増えているものの、コーヒーセクター全般では、生産物の種類、価格、市場の問題のために融資額は2年連続で下落しています。この下落は、カカオやナッツを含む他のバリューチェーンへの20%の融資増加で相殺されました。報告書では、このような作物や地域ごとの傾向について分析されています。

CSAFのコーディネータBrian Milder氏は、「現在、大きな情報格差のために、成長や影響力が見込める農業系企業への資本提供が阻害されています。私たちはこれらの企業の情報と知見を共有し、その影響力やリスク、収益の概略情報を明確にして、責任性、持続性、透明性のある融資の必要性を他の企業が発信できるようにしたいと思います。」と述べています。

この3年目の新たな報告書は、個別の融資先の業務内容や財務情報の守秘義務を尊重しながらも、他方では市場動向を共有するというCSAFの公約をよく示しています。報告書は、マスターカード財団とSmall Foundationの支援を得て、外部の分析事務所であるMIXとの協働作業で作成されました。

2014年に正式に立ち上げられたCSAFは、農業関連融資者らが競合関係になる前にフォーラムを開催しています。集まってお互いに知識を交換したり、最も好ましい取り組みを確認したり、責任ある融資活動の業界規範を発展させるためです。CSAFの会員と関係団体は、Oikocredit, AgDevCo, Alterfin, Global Partnerships, Impact Finance, Incofin Investment Management, Rabobank, responsAbility Investments AG, Root Capital, Shared Interest Society, and Triodos Investment Managementです。

 

小規模農家への融資機会と課題についてもっとお知りになりたい方は、報告書全体をwww.csaf.net/state-of-the-sectorよりダウンロードして下さい。

“「分野別情勢報告書」表紙より

「分野別情勢報告書」表紙より

(翻訳協力:東京YWCA 国際語学ボランティアズILV)

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