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SEKEMのインパクト評価 調査報告(要約)

SEKEMのインパクト評価 調査報告(要約)

(2014年12月-2015年3月)

 

はじめに

SEKEMのインパクト評価 調査報告 表紙オイコクレジットとSeKem(エジプト)は、有機栽培農家に対するSeKemビジネスモデルの社会的、経済的、文化的なインパクト(効果)について評価調査をした。調査はヴァーヘニンゲン大学(オランダ)とリサーチセンターが連携する開発イノベーションセンターに依頼し、2014年11月から2015年3月にかけて実施した。評価調査の目的は、SeKemが契約農家および団体(注:SEKEMに出荷契約をしている農家や企業、農協を指す)に対して導入を指揮した多面的なプログラムやプロジェクトの効果について、SeKemとオイコクレジットが理解を深めるためである。

この評価調査は、SeKemが生産活動の社会的、経済的、文化的影響について体系的に情報収集を始めるよい機会である。また、商品やサービスポートフォリオ、特にアフリカの農業分野にさらに力を入れるというオイコクレジット戦略にもかなうもので、パートナー組織のプログラムが顧客に与えるインパクトについて理解するのに役立つ。

SeKemはオイコクレジットの農業ポートフォリオを代表するものではなく、その一例にすぎない。とはいえ、総合的なビジネスモデルやインパクト指標をもつ興味深いパートナーで、オイコクレジットの農業セクターへのインパクト評価における全般的な技術と知識の蓄積に必ず役立つ。

本調査の結果は、SeKemのビジネスモデル進化の再検討とそこから教訓を得るための情報源として生かす。また、ステークホルダーに対するSeKemプログラムの透明性および説明責任のレベルアップを目指す。以下、調査結果の概要である。

カイロ/ヴァーへニンゲン、2015年4月
開発のためのイノベーションセンター評価チーム
Ann Gordon
Shereen Saber
Ruud Ludemann
Marlene Roefs

エグゼクティブサマリー

背景

このSeKemインパクト評価報告書は、ヴァーヘニンゲン大学開発イノベーションセンターおよびリサーチセンターの研究チームが2014年11月から2015年4月にかけて実施した。調査はオイコクレジットから委託された。オイコクレジットはオランダに登録されている民間金融協同組合で、65カ国で業務を行っている。2014年12月現在、オイコクレジットは805のパートナーに融資や出資をしている。エジプトのSeKemもその一つで、11%の株式を保有している。

SeKemは人智学とイスラム教の教えに基づいて、70ヘクタールの砂漠開拓プロジェクトに取り組むために1977年に設立された社会的企業である。現在、開拓地は3000ヘクタールにまで広がり、Sekemは9つの会社を抱える持ち株会社に成長した。それらの会社は統合されたバリューチェーンを把握しつつ有機農産物や織物、植物性医薬(生薬)を販売している。SeKemはバイオダイナミック製法(注:有機栽培の一種、循環型農業の方法)の農地を所有し、耕作している。さらに、1994年にはエジプト・バイオダイナミック・アソシエーション(エジプト有機農法協会)を設立し、エジプトの農民たちが従来農法から有機農法へ切り替える支援をして、その数は700名をこえた。また、SeKem開発財団を1984年に設立して教育と保健事業に取り組み、2012年には持続可能な開発のためにヘリオポリス大学を開設した。

 

目的

本評価を委託するにあたり、オイコクレジットとSeKemは、特に以下の点に注目して契約農家及び団体を精査するように依頼した。

  1. 個別自作農から供給ニーズを満たすために形成された農家グループまで、契約農家及び団体にSeKemが及ぼすインパクト;
  2. 何年にもわたるインパクトを追跡し、持続可能性の改善に必要とされる分野を特定できるようなベースライン(注:プロジェクト開始時点での基準値)
  3. SeKemモデルの妥当性、効果、持続可能性、拡張性を理解し説明するうえで有益な情報;および
  4. SeKemモデルが民間企業として発展を牽引し得る確証

SeKemモデルは有機/バイオダイナミック農業の推進によって、すでに生物物理学的次元ではたいへん注目されている。したがって本調査を通して、Sekemは特に事業の文化的、社会的、経済的な持続可能性について理解を深めることに関心がある。

本評価には、SeKemがもともと所有するカイロから60キロにあるビルベイス農場での(特に保健と教育)事業は含まれない。というのも、契約農家及び団体の多くはエジプトのその他の地域にいて、ほとんど影響を受けないからである。

 

評価手法

オランダでのオイコクレジットによる趣旨説明のあと、2014年11月にエジプトでSeKemと開発イノベーションセンターの初会合がもたれた。引き続いてフィールドワークが実施され、2015年2月末に終了した。評価チームは以下の手法をとりまぜて採用した。

  1. 初回訪問時でのSeKemチームメンバーとの会合およびフィールド・トリップ
  2. SeKemの契約農家及び団体、他の農家、女性、若者らとのフォーカス・グループ討議
  3. SeKemの契約農家及び団体コミュニティーの農家や他の農家、SeKemスタッフ、へリオポリス大学のスタッフと生徒、および農業専門家といった重要情報提供者へのインタビュー
  4. 農場訪問による直接視察
  5. バイオダイナミック農法と従来農法による作物生産の農地運営の比較分析
  6. 入手可能な二次データの見直し

フォーカス・グループ討議は合計21回実施。討論参加者は104名、主要情報提供者の聞き取りを40回実施。フィールドワークはSeKemの要望で開発イノベーションセンターの2チームのメンバーが担当し、ほとんどの場合、SeKem本店およびヘリオポリス大学のスタッフと生徒の両方、あるいはそのどちらかが同行した。本店や大学スタッフ、生徒らが参加したおかげで、今後、Sekemが同様の評価調査を自力で実施していく足がかりにもなった。できる限り調査の客観性が保たれるように、スタッフと生徒は実際の結果分析や定式化にはかかわらず、物流、組織化、入手データの処理に参加した。

フィールドワークはファヨウム県、ブハイラ県、カフル・アッシャイフ県、ギザ県、カリュビーヤ県、イスマイリア県で実施。第1回現地視察はカリュビーヤ県とイスマイリア県で実施。それ以外の4県が選ばれた理由は、交通の便が良く、多くのSeKem契約農家及び団体がいて、重要作物が生産されているからである。たとえば、2014年夏期のSeKem契約農家及び団体の52件(65%)のうち34件はこれら4県にある。また(52件の契約農家及び団体に出荷を協力する農家など)潜在的な仕入れ先農家332(89%)もこの地域にある。

開発イノベーションセンター、Sekem、オイコクレジットは調査期間中ずっとコンタクトを持ち、報告草案の提出に続いて、2015年4月初旬にSeKem本店で、Sekem(大学とエジプト有機農法協会を含む)、オイコクレジット、および開発イノベーションセンターの代表者らの出席の下に、検証のためのワークショプが開かれた。このレポートには当初の草案とワークショップでの議論のフィードバックを含む。

 

自社農場と契約農家から仕入れるSeKem

一番重要なことは、Sekemがホリスティック農業(注:無農薬の自然栽培農業)の実践と人間開発を押し進めることを熱望する一つのビジネス・システムの中で、主に地元市場むけの有機農産物生産の発展に関わっているという点である。実際、エジプトでSeKemの名前は誰もがよく知っている(特にそのハーブティーと生薬のお茶で有名である)。さらにSeKemの社長によると、エジプトは米国、欧州、日本に次ぐ有機農産物の最大市場である。

SeKemは自社の5つの農場とエジプト全土にちらばる約90の契約農家及び団体から作物を仕入れている。そのなかには(正式あるいは非公式に)もっと多くの農民グループ(潜在的には412の農家)へ次々と下請けに出している契約農家及び団体がいる。SeKemに出荷する契約農家及び団体の農地は、すべてバイオダイナミック/有機農業生産基準を満たす証であるデメター認証を受けている。

SeKemグループの会社は季節ごとの作物需要量を決め、作物生産計画とモニタリング用のCrop-Walkerソフトウエアシステムを使って仕入れ計画案と契約案をたてる。さらに農場レベルでは、農業専門家(SeKemが賃金を支払いエジプト有機農法協会が雇用)が適切なバイオダイナミック/有機栽培の技術指導をするなど、契約農家及び団体と密接に関わりながら事業を行っている。農業専門家らはほとんど毎日農場をたずねて、実質的な農場マネージャーとして活動している。バイオダイナミック作物生産の一貫性を保証し、SeKemの名で販売される商品の需要量と品質基準を満たすために、これらの情報提供は大切であるとSeKemは考えている。さらに、契約外の作物を公開市場で購入している。

SEKEMのインパクト評価 調査報告 イメージ

結論

供給契約の締結により農家の収入は増え、市場が確保され、雇用機会が増える。SeKemの業務は潜在的に下記の3点に及ぶ:

● およそ90の契約先(契約農家及び団体)

● 他の有機認証農家(潜在的には412に上る)は、前述の契約農家及び団体を通してSeKemの契約作物の生産に貢献している

● 農場労働者(所用労働力は有機農作物生産では1フェダンあたりで従来農法による作物作りよりも15〜30%高い。エジプトの面積の単位1フェダン=1.308エーカー、もしくは0.42ヘクタールに相当)、およびその農家・農業労働者の家族

 

聞き取りに応じた農民たちが評価したのは、有機栽培と農薬を使わない点もさることながら、一番顕著な影響として収入が増えたことである(ほとんど全ての農民たちがバイオダイナミック農法に切り替えた理由にこの点をあげた)。さらに、雇用機会の増加とあわせて市場が確保されているという利点があった(大勢の農民たちが、SeKemはいつも契約を守ると述べた)。雇用機会の増大は、(ファヨウム県のように)貧しく労働力が過剰で、仕事を求めてエジプト各地に男性の出稼ぎ者を出している地域では特に重要な影響である。バイオダイナミック農法(と納品後の二段階での代金支払い)という条件のおかげで、ほとんどのエジプトの小作農が得られなかった直接雇用の機会が増えたことは特筆に値する。

 

SeKemの農場マネジメントは、農民の能力開発は限定的であることを示唆

契約農家及び団体に有機農業へ転換してもらうことはうまくいったが、業務はエジプト有機農法協会とSeKem農業専門家らによる集中的な情報提供にかなり依存している。20年間SeKemに出荷し続けている農民たちであっても、いまだに農業専門家のアドバイスに頼っており、自力で品質基準を満たすように農民力をみがこうという熱意はあまり見受けられない。

 

契約農家及び団体では、教育面や健康面での効果はあまり見られない

聞き取りに応じた農家の多くが、有機農産物は消費者と生産者の健康に良いと答えたものの、それに関連する確たる証拠はなかった。農民の中にはSeKemが労働者に提供する救急箱や浄水、トイレについて話す人がいたり、SeKemのおかげで自分たちの教育に対する考え方が変わったと話す人もいた。契約農家の親戚の若者三名は、ヘリオポリス大学の学費の減額を受けた。

 

女性や若者へのインパクトは、特に彼ら/彼女らを対象とする活動に強く関係

聞き取りを受けた女性や若者たちは、有機農業に好意的だったものの、SeKemの仕入れモデルは特に彼ら/彼女らをターゲットとしていたわけではなく、また、一般的には付随的な関わりで効果も限られた。ただし、カフル・アッシャイフ県は例外である。同県で、SeKemは石油会社と共同出資で20ヶ月間の開発プロジェクトを実施し、農業活動を継続するとともに、広範囲な活動(2014年12月に終了)にも取り組み、潜在的に様々なインパクトがみこまれる。たとえば、大人や子どもの読み書き教室、就学前教育、託児所、女性の裁縫教室および技能の習得、コンピューター教室の開催などについて、契約農家及び団体であるなしに関わらず、女性も若者もあらゆる人々がこれらの活動を高く評価した。この事例は、比較すればはるかにささやかで、まだ胎児の段階だが、ビルベイス農場近くにある‘母親農家’つまり先輩農家の成功を思い起こさせる。

 

民間企業SEKEMの開発における役割

SeKemが実地での生産実践を農業科学技術面から補足する活動に積極的に関われば、契約農家及び団体を通して広範なインパクトをしっかりと与えることが期待できる。この調査結果が示しているのは、成功の秘訣は、バイオダイナミック手法の農業には全体的な取り組みが必要であり、決して生態学的あるいは財務的側面だけにとどまってはいられないし、またとどまるべきではないということである。

 

ベースラインの開発について —まず、もっと広範で間接的な供給ベースに関する情報をしっかりとつかむこと

SeKemはおよそ90件の契約農家及び団体と直接契約をしている。しかし、契約供給量の不足を埋め合わせる生産量の作物生産に関わっているその他の農家(潜在的には400プラスα)や契約農家及び団体で働く労働者についてはほとんど情報がない。それゆえ、SeKemの供給ベースにかかわる大部分の人々(たとえば供給契約書を交わした農家以外)について、すぐに入手可能な詳しい情報はない。しかし、意味のあるインパクト指標の開発はこういった情報が無ければ困難である。

 

SeKemモデルは効果的、適切、持続可能で、かつ規模の変更も可能、ただし調整が必要

SeKemは有機農産物の大きな国内市場の開発と販売促進に成功した。エジプト有機農法協会を通して700ほどの農家が有機農業に転換し、その多くが20年以上続いている。

SeKemの契約農家及び団体と消費者ベースからもこのモデルの妥当性が分かる。また、エジプトが直面する以下の重要な戦略課題がこのモデルを通して潜在的に浮かび上がってくることからも、そういえる。エジプトでは、限られた伝統的農地の劣化、増加する人口にみあう雇用機会増の必要性、少量の水使用で堆肥使用を増やす農法とあわせて’新しい’(つまり砂漠の)土地開発、輸出市場の開発による広範な成長への寄与が課題となっている。

近年、農民から支払いの遅延に関する苦情が出ており、また、地域によっては環境汚染のため有機認証に支障が出る恐れがあり、懸念材料である。なおSeKemは支払い遅延については2015年にはこれを調整したいと考えている。SeKemの調整策は、大きめの契約農家及び団体を統合し、自社農場および他の新しい農地からもっと多くの供給シェアを得ることである。SeKemは以下の領域で今後も成長の可能性があると考えられる。SeKem向け農作物を栽培している契約農家及び団体は現在全面積の23%が有機栽培認証を取得しているが、この有機栽培の割合を増やすか、もしくは新たに有機栽培用の農地を取得することができること。さらに、契約農家及び団体をもっと募集できること。また、SeKemが所有する農場の作物生産量を拡大できること。こういった観点からこれまで述べてきた課題や制約について検討する必要がある。

 

社会的、経済的な影響をSEKEM/ヘリオポリスが評価する力は、今後、向上する可能性がある

SeKemとヘリオポリス大学の職員たちの何名かにはインパクト評価に係る経験と予備知識があるが、SeKemが望むなら、さらに強力な能力を開発する可能性が存在する。

 

提案

1.(契約農家以外に)影響を受けているもっと多くの人々がいることをはっきり理解する。SeKemは広範な農民グループ、労働者やその家族に関わっているが、こういった人々に関する情報がほとんどない。様々な人々に対するSeKemの活動のインパクトを測定したいのなら、そのインパクトを測定するために必要なベースライン・データ(注:基礎数値)を収集する必要がある。そうやってはじめてSeKemは意味のあるインパクト指標を開発し、フォーカス・グループに自らの総合的な使命を説明することができる。

2.契約農業の別のアプローチを検討する。SeKemは農場レベルにおける農業専門家の役割とその作物生産管理の性質について再考した方がいいだろう。これは、他の地域で採用されている契約農業の別のアプローチを検討して、農民の組織化と仲間作りの力をつけることによって可能だろう。こういった農民の力が育てば、会社がチームを組んで果たしてきた多くの役割(技術普及、農民募集、品質管理、作物構成、契約要求事項の順守)をやがては小規模自作農が引き受けられるようになるだろう。これに関連させて、近隣の契約農家を支援し、つながることができるような(五つの)自社農場の活用法を検討できるだろう。(例 農業投入物や訓練、その他のサービス提供窓口として)

3.関連する女性や若者向けの保健・教育面での働きかけを特定する。SeKemが保健・教育分野で女性や若者を含む幅広い層の人々に影響を及ぼしたいのであれば、供給ベース(女性や若者を含めて)に関する適切な理解に基づく戦略を開発し、なすべき特定の働きかけを見極め、そして、これらのグループにとって重要な優先課題に狙いを定めた活動に積極的に関わらなければならない。活動領域の他のプレーヤーとの恊働の機会を確定することを含めて、しっかりした状況分析をすれば、SeKemは契約農家及び団体のこうしたより広範な仕事への融資判断も必要になるだろう。

4.民間企業としてSeKemの開発における役割を積極的に果たす。社会的、経済的、文化的なインパクトをもっと拡大するためには、前述してきた行動領域で積極的に活動を行うべきである。けれどもこのような活動への投資が収入創出というSeKemの経済的活力を脅かすことになってはいけない。この問題に対応するために、SeKem開発財団からの支援を受けつつ、この分野で既にイニシアティブをとっている他の団体と恊働する機会を模索する戦略を立てるのもよいだろう。

5.農産物づくり以外のSEKEM活動に関するコミュニケーションを向上させる。聞き取りに応じた多くの人々の発言から、SeKemの社会的発展と文化活動ポートフォリオについて良く知らなかったり、間違った情報を受け取っていたことがうかがえた。契約農家及び団体やそれを取り巻くコミュニティーの人々への情報発信にはもっと注意をするべきである。このために、もともと農作物作りから始まったSeKemの活動とSeKem開発財団が率先する社会開発活動を組織的に織り交ぜていくことが必要かもしれない。

6.供給ベースを理解し、社会経済的な指標基準を開発する。開発イノベーションセンターはSeKemスタッフと協力して供給ベースについてもっと詳しく知るためにアンケート1を作り、基準づくりに関わる「結果領域」を提案した。SeKemがこのアンケート案を3、4件の契約農家及び団体で試して必要な修正を加えたうえで、全体に実施するよう推奨する。意味のあるベースライン指標の組み合わせを開発するために、SeKemのサプライチェーンに関わる農民や農場労働者、その家族に関する質問項目をさらに充実させることが必要である。アンケートの収集と記録担当者としては、SeKemもしくはエジプト有機農法協会の農業専門家たちが最もふさわしいだろう。

7.具体的な選択肢の長所と短所を全て考慮して、今後もモデルを調整する。既にSeKemも直面する課題をはっきりさせるためには調整の必要があることを認めている(確かに、社会的企業へのトータルなアプローチでは、常に変化に対応し、刷新してくことが大切である)。SeKemはもっと大きな生産者と、そしてある程度は自分たちの農場や、他の新しい土地によって作物供給の強化を追求している。従って、こうした変更は、開発のインパクトが明らかに最大である地域(例 労働力過剰で雇用機会が非常に必要とされている恵まれない地域)にはあまり焦点をあてないことを意味する、ということを意識しておくことは重要である。

8.SEKEMのモニターと評価の必要性への最善の対処方法を考える。SeKemはモニタリングと評価にどう対応するか考えるべきである。自社スタッフの能力開発や外部専門家の活用、あるいは(一番可能性があるのは)この二つの組み合わせによって可能だろう。こうしたキャパシティビルディングには手法セットの使用に関する指導に加えて、ソフト技術面(人々の技能)の十分な訓練、実習、フィールドワーク実施における柔軟性が必要であり、さらに、スタッフやパートナーたちに振り返りを鼓舞する職場文化を育むことも大事である。モニタリング、評価、学びが向上すれば、戦略と業務にはまたとないインスピレーションと情報源になり、’モデル’をさらに補強してくれるだろう。

 

報告書の構成

本報告書では、第1章で調査の背景、状況、方法論を述べる。第2章でSeKem業務の基本的原則を述べ、農民レベルでの開発における発見と女性や若者に関する可能性については第3章及び第4章で述べる。第5章ではSeKemのベースライン調査の開始方法、所定のデータ管理方法の開発の仕方に関する提案を行っている。第6章ではインパクト評価調査の結論と提言を述べる。付録には調査の特定項目に関する詳細な一連の添付資料がある。

(原文は Oikocredit International サイトからダウンロードできます。)

 

(注:SeKemについてはhttp://www.sekem.com/ を参照のこと)

 

 

(翻訳協力: 堀内美鈴)

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