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オランダ本部インターン報告 2 総会編

オイコクレジット・ジャパンは、若手の支援ボランティアを育成するために、今年の2月に本部への短期インターンを募集し、選考の結果、谷口順一さんが選ばれました。6月1日から2週間強の間に活動された報告の第2回目をお届けします。(→第1回から読む)

オランダ本部インターン報告 2 総会編

オイコクレジット(以下オイコ)オランダ本部オフィスでインターンとして活動しておりました、谷口です。今回は派遣期間中の後半週に開催された、年間総会(以下AGM: Annual General Meeting)の様子を報告させていただきます。

AGMは、年に一度各支援組織(以下SA: Support Association)メンバーや地域統括マネージャー、一部投資家の方々が集まり、オイコ全体としての重要事項に関する意思決定を行う場です。本年度のAGMはドイツのポツダムで開催され、月曜日から金曜日まで、詰まったスケジュールの中で議論を行いました。

議題は幅広く設定されており、2020年までのオイコ全体の目標設定等、組織戦略・方向性の議論や、どの様に各国組織の連携を深める事が出来るか、といった業務の効率化に関する内容もありました。

「2020年までの目標設定」の中で提案された内容の一例としては、オイコの社会的投資によって:
・5500万人の人々に、投資先パートナーを通じてインパクトをもたらす事
・4万人の雇用を創出すること
・12万人が、クリーンエネルギーにアクセス出来る様になる事

等が盛り込まれていました。

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(総会初日、全SAの会合にて)

オイコがヨーロッパで発足した組織であることや、3年に一度のヨーロッパ、特にSAと投資家の数が最も多いドイツでの開催である事もあり、ヨーロッパ各国を中心に世界中から100名近い人々が集まりました。

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(総会最終日、採決前最後の質疑応答の時間の様子)

議論の場で発言する際には必ず会場の中心に置かれたマイクの前に立たなければならないのですが、これでもかという程に様々な方々が活発に発言する様子が見受けられました。

 

休憩・食事時間等、ミーティング以外の場では、各国のSAメンバー・途上国地域マネージャー等と交流を深め、各国での活動内容や経済・社会事情に関してお話を伺う事が出来ました。お話を伺った中で私が興味深いと感じた事として、

(1) EU圏における社会的投資市場に追い風が吹いている事、
(2) 欧米SAでのボランティアの活躍

がありました。

まず(1)に関して、欧米各国、特にEU圏では一部の大手銀行によるスキャンダルや金融危機による景気への直接的な大打撃等の影響から、市民の間で金融機関への預金・投資に対する不信感が高まった事に起因する様です。「自分が預けた/投資したお金が、利己的な金融機関に流れるのは許せない」という感情が煽られ、その後市民レベルでのエシカルインベストメント(Ethical Investment)/社会的責任投資(SRI: Socially Responsible Investment)の考え方が広がり、それがオイコへの投資を後押しする一要因になっているという事でした。そもそもオイコが発足した背景には、銀行が軍需産業に融資した資金の一部がベトナム戦争等に流れていた事があり、「より社会の為になる資金管理を促進しよう」という想いから活動が始まった様です。そういった意味では、オイコは社会的投資の分野において時代を一歩リードしていた、と言えるのかも知れません。

(2)に関して、今回の総会参加メンバーの中で、「実はボランティアだが各地域代表として総会に出席している」という方々が少なくないと知り、また各国SAメンバーから彼らの組織において多数のボランティアがオイコの活動を発信し、支えているという事例を伺いました。オイコの欧米SAにおいては、年率平均2%前後の配当を出資者に還元しているのですが、沢山のボランティアの方々の力が、社会的リターン・経済的リターンの両方を生み出す原動力になっている様でした。まだ欧米に比べると小規模組織のオイコジャパンですが、彼らからの刺激を受け、今後は多くのボランティアの方々が活動出来る様な組織にしていきたいと思う様になりました。

また、今回はオイコ設立40周年の記念式典がベルリンで開催され、オイコがパートナーとして提携している企業・NGO等の方々も出席されていました。

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(総会出席者の集合写真)

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(魚眼レンズで撮影された、記念式典の様子)

記念式典の際、オランダのマクシマ王妃がビデオレターでお祝いの言葉を述べていた様子が、個人的には非常に印象深かったです。

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(マクシマ王妃のビデオレター)

式典においては、ただ40周年の歴史を祝うだけでなく、オイコが投資する各分野における勉強会が開催され、テーマ毎にグループに分かれて議論がなされました。

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(グループ毎の勉強会の様子)

私は農業分野における資金提供をテーマとしたグループに参加しました。ケーススタディを用いて投・融資の判断をどの様にするべきか、といった事から、途上国における農業の課題等など、社会的投資による農業分野への貢献に関して密度の濃い議論を行う事が出来ました。

各グループによる勉強会を終え、全体ミーティング用のホールに戻ると、この様な絵が完成していました。

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これは、アーティストが記念式典開始後から議事録の代わりに重要なメッセージを一枚のホワイトボードに絵としてまとめ、オイコが今後どの様な組織・社会を目指すかを描いたものです。この絵自体はポップに描かれていますが、貧困削減、環境保護を目指すオイコの精神が全てここで全て表現されています。

 

長くなりましたが、最後までお読みいただき有り難うございました。今回でオイコ本部のインターン報告は終わりとなりますが、これまでに紹介した内容以外にもオイコの活動は世界中で展開されています。今後もこのホームページ上で様々な情報がアップされますので、ご関心をお持ちいただけた方は、今後もお読みいただけましたら幸いです。「活動に参加してみたい!」「話を聞いてみたい!」という方も、是非気軽にご連絡下さい。メンバー一同、心より歓迎致します。

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